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伝統的な紅型やミンサー織をスタイリッシュにデザイン。沖縄でたった“ひとつ”のゴルフブランド『Tee-chi OKINAWA』(那覇市)

2020.10.23

豊かな緑に囲まれ、美しい海を眺めながら爽快にショット! そんな至極のリゾートゴルフを満喫できる沖縄。1年を通じて温暖な気候のため、冬でもプレーが可能。いつでも南国の開放的なロケーションで思う存分ゴルフを楽しめることから、季節問わず多くのゴルファーたちが訪れることで知られています。けれど、なぜか沖縄にはゴルフブランドがない。あったらいいのにな……。じゃあ、自分で作ってみよう! 駒木根澄子(こまきねすみこ)さんがそう思い立ち、2015年秋に設立したのが、沖縄初のゴルフブランド『Tee-chi OKINAWA』です。

駒木根さんは東京都出身。昔から海が大好きで、ダイビングをするためによく沖縄を訪れていました。そこで自然の尊さを体感し、沖縄の人たちが自然の恵みに感謝する文化に心動かされ、都会での自らの暮らしを見直すことに。「私ももっと自然を近くに感じ、自然に寄りそって生きていきたい」。そう考え移住してきたのが14年前。大学生時代に夢中になって以降、しばらくお休みしていたゴルフを再開したのも、この頃のこと。

「初めて沖縄のコースを回って、沖縄でするゴルフがこんなにも気持ちいいとは! と感動しました。森に囲まれ、海が見える環境で、風がどちらから吹くとか、雨がもうすぐ降るだろうとか、“自然の中で人間が遊ばせてもらっている”という体験に、この上ない喜びを感じたんです。豊かな自然を肌で感じながら思いきり体を動かせば、人は誰かと、自然と、そして本当の自分と“ひとつになれる”。沖縄でのゴルフ体験は、私にそんな素晴らしい感覚をもたらしてくれました」

ブランド名に掲げた“Tee-chi(ティーチ)”とは、沖縄の方言で“ひとつ”を意味する言葉。駒木根さんが自らの体験で得た「スポーツを通じてひとつになる」という感覚、そして「その喜びをたくさんの人に味わってほしい」という大切な思いがこめられています。

ブランドロゴは、沖縄本島北部の“やんばる”エリアに生息する鳥、“ヤンバルクイナ”をモチーフにした“Tee-chiくん”。

「ゴルフには“バーディ”や“イーグル”といった鳥にまつわる用語があるので、沖縄の鳥をブランドキャラクターにしたいなと。それで真っ先に思い付いたのが、ヤンバルクイナ。飛ばしが第一のゴルフですが、飛ばないけど走るヤンバルクイナ。そんなユーモアをこめて(笑)」

ヤンバルクイナを選んだ理由はほかにもあります。駒木根さんが沖縄に住んで感じたこと。それは、「沖縄は争いを避け、みんなが調和することを求める美しい思想が生きている」ということ。

「ヤンバルクイナは、そうした沖縄の思想を象徴しているなと思いました。“飛べない鳥が住める平和な沖縄”というのは大切にしたいキーワード。飛べなくてもやんばるの森で元気に走り回っているヤンバルクイナは、弱くても変わり者でも共存して生きられる本当に豊かな世界を教えてくれているように思います。そういった沖縄の豊かな自然と文化から受けたインスピレーションを、スポーツを通じて世界へ届ける。それが『Tee-chi OKINAWA』で実現したいことなんです」

“ひとつ”へのこだわりは、商品にも現れています。ブランド設立当初には、紅型、ミンサー織の職人さんと一緒に手作りした、世界にたった“ひとつ”しかないゴルフバッグが誕生。「リゾートの開放感とゴルフの爽快感に、沖縄の伝統美を重ねたい」という駒木根さんの願いを叶えた商品でした。

ゴルフバッグ以外にも、クラブカバー、ボールマーカーなど、紅型、ミンサー織、ロートン織をデザインした作品を製作。紅型作家のナワチョウさんが『Tee-chi OKINAWA』のために描き下ろしたオリジナルの柄は、ハイビスカス、ブーゲンビリア、ゴーヤーなど、沖縄を象徴するモチーフが散りばめられた美しい仕上がり。

柄の中には、駒木根さんのアイデアで、フラッグやクラブなど、ゴルフ関連のモチーフも。写真の中のどこにあるかわかりますか? 探して見つけて嬉しい、隠しアイコンを楽しめるユニークな作品です。

八重山伝統の織物、ミンサー織は、石垣島に工房を構える『あざみ屋』が手掛けたもの。琉球王朝時代から続く首里織のひとつ、ロートン織は、沖縄本島南部・八重瀬町の機織工房『しよん』にお願いして織られたものです。

ボールマーカーは、グリーンでボールの位置をマークするために使用するゴルファー必須アイテム。ミンサー織、ロートン織がデザインされたボールマーカーは、ほかに同じ柄がない、世界でたった“ひとつ”の一点ものです。誰もが使うものだからこそ、こだわりを持ちたい。沖縄でゴルフをするからこそ使いたい。そんなゴルファーたちの願いを叶えてくれる商品です。

「沖縄の伝統工芸品は本当に美しいですよね。職人さんの手仕事でていねいに作られるのでどうしても高価になりますが、やはり沖縄のゴルフブランドだからこそ表現できるアイテムを作りたくて。ボールマーカーのような小物だったら、少し気軽に取り入れられるかなと思い、2015年のスタート当初から作り続けています。私も使っていますが、グリーンの上を沖縄の伝統工芸がかわいく彩る様子はとっても素敵で、プレーがますます楽しくなります」

『Tee-chi OKINAWA』のアイテムは、美しいだけでなく、ゴルフのシーンで不便なく使えるよう実用性を考えて作るのがモットー。こうした伝統工芸を用いたアイテムも、しっかりと撥水加工、汚れ防止、UVカット効果が施されています。

2019年には、ガラスアーティストの宮國綾乃さんとコラボした琉球ガラスのボールマーカーも誕生。作品製作時に出る廃材を使って、色彩豊かに仕上げた一点ものです。中には、パールをあしらったピアスとのセット商品も。これにはちゃんとした理由があります。

「ボールマーカーは、最後のグリーンに行くまで使わず持っているだけのもの。近年では、それをキャップのツバに付けてコースをまわるのが定番スタイルになっています。そんなとき、おそろいのピアスがあったらコーディネートできて素敵だなと思って。ゴルフはファッション面でも楽しめるスポーツなので、ぜひアクセントとして取り入れて頂けたら嬉しいです」

2018年には、「目に見える部分だけでなく、素材でも沖縄を表現したくなって」と、海の底に眠る風化造礁サンゴを特殊加工した『Tee-chi サンゴクロス』を開発。サンゴをパウダー状にしてレーヨンに練りこみ、綿糸と合わせ生地に仕立てたもので、開発と同時にこの生地を使ったポロシャツの販売をスタートさせました。とってもやわらかく、しなやかな肌触り。花ブロックやパイナップルなど、沖縄を表現したテキスタイルも魅力的です。

「サンゴの成分には、UVカット効果と肌に優しい保湿性があると知り、これはゴルフウェアに最適だなと。直接肌に触れる内側には『Tee-chi サンゴクロス』を使い、外側は速乾性のあるポリエステルを使用しています。天然素材のUVカットであると同時に、命がなくなったサンゴを使っているので環境面に配慮でき、持続可能でもある。去年からは売上の一部をサンゴ保護活動団体に寄付しているんですが、そうやって循環しながら自然と寄りそって生きていく方法をいろいろ実践してきたいと思っています」

表裏ともに『Tee-chi サンゴクロス』を使用したマスクも登場。肌にすっと馴染むなめらかな素材感で、快適な着け心地です。

今では週に一度、沖縄の馴染みのゴルフ場へ通い、コースを回るという駒木根さん。実際にプレーしている中で「こんなアイテムがあったらいいな」と思いついたアイデアから商品化につながったものあります。

「沖縄のゴルフ場ってカラスがすごく多いんです。カートにバッグを置いてプレーしていると、その間にファスナーを開けて中のものを取っていく。そういう被害をなくすためにカラビナでファスナーを固定できるバッグを作りました。Tee-chiくんのパターカバーチャームのほうは、パターを打つとき外したカバーを取り付けられるように。ボトムのベルトループやカートバッグのハンドルに付けられてとても便利です」

現在、沖縄でたった“ひとつ”のゴルフブランドとして、さまざま挑戦を続けている『Tee-chi OKINAWA』。駒木根さんには、5年後、10年後の展開について、思い描いている未来があります。

「沖縄へゴルフ旅に来る皆さんに、地元の人間だからこそわかる沖縄のおすすめ情報をお伝えできるポータルサイトがあったらいいな、と。ゴルフの前後で食事するお店、観光する場所をピックアップしてモデルコースを作ってみたり。もともと旅行代理店の添乗員として国内外のゴルフツアーを担当していたので、その経験を活かして沖縄のツアーも実現したいです。それから今はゴルフだけですが、ブランドコンセプトの根底にある“沖縄×スポーツ”というところで、SUPとかトレッキングとか、沖縄の自然を楽しめるスポーツの魅力をより一層広めていきたい。勝ち負けを争うのではなく、みんなでひとつになって自然を感じ、体を動かす楽しさ。そういう“ひとつ”の喜びがあふれたシーンに寄り沿うアイテムを、もっともっと生み出していけたらいいなと思っています」

  • Tee-chi OKINAWA
  • 住所沖縄県那覇市金城3-8-11 ゆいビル1F
  • 電話098-987-0077
  • 営業時間10:00~18:00
  • 定休日土曜・日曜・祝日
  • URLhttps://www.tee-chi.com/

沖縄CLIPフォトライター 岡部徳枝